技術訓練(13)2011/09/26 10:59


ガトーショコラ、再々。

パン教室を開いている高校の同級生の家でコーヒーを楽しむ会を開くこととなり、
マリアージュとなるガトーショコラを持参し、味を評価してもらおうという試み。

レシピはイル・プルー・シュル・ラ・セーヌの教室のもので、
市販本『焼き菓子教室』とは異なる。

クーベルチュールチョコレートは無論、カカオバター、ココアパウダーに至るまで
チョコ関連は全てフランス・ペック社のものを使う。

ガトーショコラ材料


ガトーショコラ


焼きあがりは、今ひとつ。

くびれがあまり出ていない。膨らみがやや足りなかったようだ。
原因のひとつは、恐らくメレンゲづくりの失敗にある。

このケーキでは、あまり固くしっかりと角が立つまで卵白を泡立てないのだが、
そう狙っているわけでないのに、ふくらみが悪く、やわらかい、べシャッとした
メレンゲになってしまった。

原因は、ハンドミキサーの使い方、卵白を水溶化をしている時間がなかかったため、
キウイの裏ごしで対応したこと、きちんと冷やしていなかったこと等にあろう。

しかしながら、味は良く、パン教室の先生、参加した友人からも合格点をもらった。
細君は、やや、しっとり感がなく、ぼそぼそっとした舌触りが気になったようだ。
もう少し滑らかな仕上がりを目指したいところ。


また、シナモンパウダーとナツメグをほんの少量効かすのだが、
ナツメグは大いに主張するので、なくても良いかもしれない。

パン教室の先生からお土産で、コーヒーとのマリアージュということで、
ヘーゼルナッツとレーズンのパンを頂いた。

ヘーゼルナッツとレーズンのパン

クリームチーズやはちみつをつけて頂くと、驚くほど絶品。
ヘーゼルナッツの油脂分がパン全体に溶け込み、絶妙なうまみを引き出しているのである。

早速、メニューに加わっていただくこととした。
他にもサンドイッチ用のパンを仕入れたいと考えている。


渡り蟹2011/09/15 10:48

昨日、デザイナーで内装も手がけるYさんと店舗デザインについて打合せを行い、
帰途、オリンピック高井戸店に買い物で寄ったところ、掘り出し物に巡り合った。

国産の渡り蟹である。

渡り蟹


私が訪れた19時過ぎ、ちょうど店員さんが半額シールを張っているところであった。
定額でも中々の安さだが、半額となれば買わない手はない。

渡り蟹を使った料理のマイ・ベストはケジャンである。
はじめて食べたときはこの世にこんなに美味いものがあったのかと
感激したことを鮮烈に覚えている。

昨今は、しょうゆ漬けのカンジャン・ケジャンが話題になっているようだが、
私のケジャンは、何といってもコチジャンベースの辛だれに漬けこんた
ヤンニョム・ケジャンの方である。

しかしながら、家庭でこれを作るのは不可能、
次に思い浮かぶ渡り蟹レシピはトマトソースにしてリンギ―ネ等のパスタと
ともにいただくものだが、如何せん、時間がかかる。

こんな時は韓国風の味噌汁にするのが一番である。
渡り蟹を縦半分にしてから、横半分の四等分にし、つぶした2-3かけの
にんにくとともに、たっぷりめの日本酒でゆがく。

アルコールが飛んだら、水を適量加える。
沸騰したらコチジャンを加え、蟹に火が通るまで煮て完成。
仕上げにコチュカル(韓国産唐辛子)を足せば、風味、辛味が増し、
本格的な味わいとなる。

また、刻み葱はあった方が良い。

出汁を使っていないのに、驚くほどの旨味を、渡り蟹は創出してくれる。
簡単なスピード料理とは思えない、格別な味わいである。

たまにオリンピックやオオゼキを訪れると、
こうした予期せぬ出会いがあって嬉しい。



技術訓練(12)2011/08/19 11:01

ブルーベリーのタルトとブルベリージャム。
先日の山下ナチュラ農園のフレッシュブルーベリーを使って。
タルトのレシピはフィリングにブルーベリーを混ぜ込む方法を採用。

これは、先般作ったものと同じレシピで、イル・プルー・シュル・ラセーヌの
『焼き菓子教室』掲載のレシピを参考にしている。

分量は以下

15cmのタルト型2個分

スライスアーモンド……………30g(推奨皮つきアーモンド60g)
カソナード………………………15g
グラニュー糖……………………10g
オレンジピール…………………10g(推奨20g)
全卵………………………………1個分
はちみつ…………………………10g

卵白………………………………2個分
グラニュー糖……………………10g
薄力粉・強力粉…………………各5g
スライスアーモンド……………20g(飾り用)

フレッシュブルーベリー………200g(推奨120g)

①アーモンド、グラニュー糖、カソナードを3,4㎜に砕き、
 全卵を加え、泡だてる。はちみつを加える。

②別のボールでメレンゲを作り、合わせる。粉を加える。

③ブルーベリーを加え、タルト生地に流し、スライスアーモンドを載せる。

④電子レンジオーブン 170℃で40分焼く。

ブルーベリーのタルト


ブルーベリーのタルト2


結果は、大失敗!!

ブルーベリーの量が多過ぎて、フィリングがベチャベチャになっただけでなく、
繊細なフィリングの味わい、それはアーモンドや、オレンジピールや、
ふっくらと別立てで泡だてた卵等で構成されるのだが、ブルーベリーのジュースが
全てを打ち消してしまい、文字通り味消しになってしまったのである。

さらに生のブルーベリーは火を入れると酸味が飛んでしまい、
生で食す味覚と異なり、やや物足りないバランスの悪い仕上がりなってしまっている。

また、オレンジピールは少な過ぎてもいけない。

混ぜ込むブルーベリーの量は100g程度でよく、そのかわり、焼きあがった後に、
フレッシュなものを少し上に載せると見栄えもよく、酸味も手伝って
バランスが良くなるようで、次回への備忘録としておきたい。

次にジャム。

ポイントはグラニュー糖の量である。
果物と同量というものもあれば、70-80%というもの、
いや半分で充分というものまで様々だ。

概してその量は日持ちの長さと比例するようであり、
コンフィチュールと呼ぶものは、糖分の量は控えめで、
ペクチンを使用しているようである。

我が家では、あまり糖度が高いのは好みではないこともあり、
40%でやってみる。

フレッシュブルーベリー…………150g
グラニュー糖………………………60g
レモン汁……………………………少々

やや酸味が勝っている印象。もう少し甘くしても良いが、
チーズケーキなどにアクセントとして加える場合は
このままでも良く、用途に応じて糖度を決めるということになろう。

また、品種によって酸味の度合いが異なるので、
都度調整の必要がある。



技術訓練(11)2011/07/12 11:55

ここのところ、スイーツをつくっていなかった。
夏場ゆえ、バター、チョコレート、生クリーム等の生ものの
取り扱いが困難の上、電子レンジオーブンを使いたくなかったからだ。

我が家では、今年まだ一度もエアコンを使用していない。
35度を過ぎたら考えることにしているが、今のところ全く不便はない。

また、家庭での節電がどれくらい可能なのか試す意味もあり、
電子レンジの使用を極力控えているのだ。

そんな状況で、一度はコーヒーゼリーを作っておかねばと考えていたところ、
細君の友人から「アガー」を頂戴したので、早速、試作してみる。

コーヒーは、先日、コーノ式珈琲塾の勉強会で焙煎した
エルサルバドルのパカマラ種を使用。

コーヒー豆50gで出来上がり200gと、大分濃い目に抽出。
頂いたレシピを参考に以下のように考えてみる。

砂糖は素朴な仕上がりを狙って、グラニュー糖ではなく、フランス産の赤砂糖=
カソナードを使う。

コーヒー…………200g
カソナード………60g
アガー……………15g
水…………………200g
カルーア…………15g
生クリーム………少々

頂いたアガーは、ジャパンホームベーキングスクール独自のもの。


アガーアガー



アガーはカソナードと良く混ぜておく。
そこへ水を加え、かき混ぜながら加熱、沸騰後、1分くらい、
アガーが完全に溶け切るまで混ぜる。

コーヒーを加え、良く混ぜる。
カルーアを加え、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。
食べる直前に生クリームを少々加える。

コーヒーゼリー


味は上出来であった。
やはりコーヒーの香りが格段に良い。

肝心の触感だが、ゼリーとしてはやや硬め、寒天と同じくらいであったので、
アガーは10g前後で良いのではなかろうか。

ジュレのようなタイプなら、もっと少なくてもよかろう。
また、やや甘めであったので、カソナードは少し控えても良い。


さて、アガーを頂いた友人は、細君の高校と大学の同級生で、
私も細君と同じ高校の同級生なので、この友人と面識がありそうだが、
実は一度も話をしたことがない。

自宅でパン教室を開いているそうで、今度コーヒーとパンの
マリアージュ研究会を開くために、面会するのを楽しみにしている。

アガーのほかにも、手作りパンや珍しい食材を頂いたので、
いかに料理したかを含め、記しておく。

・燻製ニシンのオイル煮(キッパーへリング)

燻製ニシン

サラダ仕立てにし、頂いたパンとともに頂く。

ニシンは粗くほぐしておく。
スライスした玉ネギ、カイワレ大根と混ぜ、
ニシンのオイルと酢、しょうゆ、コショウのドレッシングで和える。

燻製ニシンのサラダとパン

・ブラウンシュガーとくるみのパン

これにクリームチーズを塗り、上述のニシンサラダを載せていただく。
燻製ニシンは上品で香り高く、クリームチーズとも良く合う。
ブラウンシュガーのほんのりとした甘味と相俟って、
絶妙のコラボレートといえよう。

燻製ニシンのオープンサンド


他にも食パン、天然の国産塩蔵わかめ、水出し緑茶、ちりめん山椒こんぶ等、
たくさんの食材を頂いた。

燻製ニシンを輸入している川口貿易という会社は、
世界の珍しい食材を取り扱っており、ネットでも購入できるようで、
またあらたな勉強になった。

細君の友人にはこの場を借りて重ね重ね御礼申し上げたい。




技術訓練(10)2011/05/25 11:37

サンドイッチ2種。
ひとつめは、厚切りベーコンのBLT。

ポイントは、二点、
西荻「ソーセージハウス もぐもぐ」のベーコンを使い、厚めにスライスすることと、
トマトもベイクドして、甘味を引きだしておくことである。

山形食パンをスライスし、重ねて焼く。
焼いた側それぞれにバターとディジョンマスタード。
黒コショウを効かせるとベーコンの旨味が引き立ち、美味。

BLT

サンドイッチは、食パンを6枚使いか、8枚使いにするかで食感や味に変化が出てくるが、この場合は、厚切りベーコンに負けないやや厚めの6枚切りにした方が良さそうだ。

もう一品は、えびとアボガドの自家製タルタル。
まずはマヨネーズづくりから。

自家製マヨネーズ

卵は全卵とし、ワインビネガーも通常より多めに使い、やや酸味を立たせてみた。
オイルは、太白ごま油を使用。

イル・プルー流は、EXVオリーブオイルとピーナッツオイル、
赤ワインビネーガーを使う。
これも一度試してみたいが、原価計算が大変だ。

マヨネーズに玉ねぎ、ケーパー、きゅうりのピクルス、パセリ、レモン汁を加え、
タルタルソースをつくる。

本来ならさらにゆで卵を黄味と白身に分け、濾して混ぜ入れるのだが、
くどくなりそうなので、割愛した。

出来立てのタルタルソースは玉ねぎの食感がやや強く感じるが、時間が経ち、
なじんでくると甘味もでて美味しい。ピクルスは多めに使った方が良い。
えび&アボガドには先日試作したバジルソースも合うが、タルタルも良い。

えびとアボガド2


ピクルスづくりは、ラベイユのはちみつを使うのがポイント。
ホワイトワインビネガーと米酢の両方で試してみたが、
ワインビネガーの方がやや優しい印象であった。
が、細君は米酢の方が親しみがあるという意見であった。

タルタルソースは、ロースハムときゅうりの自家製タルタルでも使う予定だが、
マヨネーズのオイル選定が課題である。
また、原価を計算して、サンドイッチの価格を決定しなければならないのだが、
これも頭の痛いところ。

飲食店では、原価率30%という定説があるのだが、
自家焙煎店の場合は、コーヒーの原価とセットとして考えればよいということを
セミナーなどで良く聞く。

コーヒーの原価率が10%であれば、ケーキやサンドイッチの原価率が50%でも良く、
平均して30%を保てば良いという考え方だ。

しかし、これも昨今のコーヒー豆の価格高騰という状況で、難しくなってきていると
私は感じている。

こだわりのケーキやサンドイッチを提供するためには、
通常より原価が上がるのは当然であるが、
そのバランスを見るのは、ふたを開けてみなければわからないというのが現実であろう。