コーヒー講座29・コーヒーマイスター認定試験2011/08/05 10:22

昨日、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)の主催する
コーヒーマイスター養成講座の認定試験があった。

きちんと勉強をしていれば、7-8割は解ける問題であり、
設問のレベルとしては、ティーアドバイザー認定試験の方が難しかったという実感。

対策としてテキストに付属している約200の問題を全て覚えて臨んだが、
それでも約20問程度の不正解があり、全く勉強をしていないと
6割の正解率は達成できないであろう。

試験問題は100問、形式は語句を書かせる記述式がほとんどで、
選択穴埋めが10問、○×式が10数問といったところ。

振り返ってみると、いかにカタカナ用語の解答の多かったことか。
コーヒーは輸入ものであるので、元々英語表現が多いものだが、
昨今のスペシャルティ業界、SCAJの世界というべきか、そこではさらに、
英語で言い表すことが標準になっている。

カッピングの際の粉の状態。ドライ、クラスト、ブレーク
サステイナブルコーヒー。その概念の重要な三要素、
サステイナビリティ、クオリティ、インフォメーション
認証団体、グッドインサイト、レインフォレストアライアンス


水の硬度、カルシウム、マグネシウム
マルチニーク島。クヌッセン女史。パルプド・ナチュラル。エスピリト・サント州。
カットバック、マルチング。ショ糖、クロロゲン酸、フルフリルメルカプタン


このような語句は、コーヒーの世界では重要なものなのである。
英語で知識を共有化、というのがまさにグローバル・スタンダードということであろう。

結果は9月上旬。


コーヒー講座282011/07/21 12:22

「家庭でアイスコーヒーをおいしく作る講座」

講師:狩野知代氏(グラウベル代表)
参加者:11名
時間:11:30~15:00(予定は14:30終了)
受講料:3,500円
開催場所:Cafe Douce Ebisu

以前、コーヒーの基礎講座を受講したことのあるグラウベルさんが、
アイスコーヒーの講座を開催されるとのことで、早速受講。

アイスコーヒーについては、焙煎だけでなく抽出についても様々な
アプローチがあり、未だ、これといった決め手がなく模索状態である。

講座タイトルに「家庭で」と銘打っているが、レベルは高いのが、
グラウベルさんの講座の特徴である。

内容をまとめておく。

まずは軽食をいただきながら、自己紹介。

パンとサラダの提供は、La Petite Tartine(ラ・プティット・タルティーヌ)さん。

プティットタルティーヌのパン

パンは2種。

りんご果汁の入ったアップルカイザーというソーセージを巻き込んであり、
ライ麦を多く配合した生地に、白ごまを合わせ香り高く仕上がっている。
さらに底にじゃがいもを敷き込んでいて、手がこんでいる。
ソーセージがとてもジューシーでおいしい。

もう1種はクグロフ型のパン。あんずと洋梨が良いアクセントになっている。

生姜をたっぷり効かせたニンジンサラダ。食感、味付けともに良く、
松戸の有名なブーランジェリー「ツオップ」で販売されているものに
インスパイアされたそうだ。

座学はアイスコーヒー向きの豆について 
 ○コクと甘味みを得られる極深煎りのもの
 ○酸や風味に個性のあるもの(中深煎り位)

次に水出しコーヒーの抽出方法による味の違いをテイスティング。

水出しの方法は中挽きの粉40gに対し、水400CC。常温で8時間、冷蔵庫なら12時間。

だしパック等に粉を入れるのではなく、そのまま水に漬け浸す方法。
この抽出液をいわゆるパーパーフィルターなどで濾過し、味の違いを見るのだが、
家庭にはない、なかなかマニアックな濾過法であった。試したのは次の3つ。

カリタ ウェーブドリッパー 
 ドリッパーはステンレスタイプで紙フィルターを使用。

ドーナッツドリッパー
 磁器のドリッパーでカリタの台形フィルターを使う。

kone coffee filter
 金属製のフィルターでペーパーを使わない。

結果は好みもあるが、カリタは苦みを感じやすく、ドーナッツはスッキリ
まろやかで飲みやすい。金属フィルターは油脂分がしっかりと出るので、
とろっとしており、甘味が出るが、豆のクラスを問う。

私はこの中にはないコーノ式を使いたいと考えている。

いよいよ実習。
ひとり3回、好きな豆を好きな抽出方法でアイスコーヒーをつくる。

アイスコーヒー講座


豆はブレンドと産地別に6種類が用意されており、
全てCOEを含むスペシャルティーの豆であったのがうれしい。

抽出器具も様々なものが用意されていた。
ペーパードリップだけで、コーノ式、カリタ式、カリタ・ウェーブ式、メリタ式、
ドーナッツドリッパー。
さらにエアロプレスもこの日、人気の高かった抽出法であった。

エアロプレスは、後日、アマメリア・エスプレッソを再訪した際、味わったのだが、
フレンチプレスとは違い、すっきりとしていて甘みも感じられる、
豆によってはなかなかの抽出法といえる。
新しさも手伝って、導入を検討しているところだ。

さて、私自身は、コーノ式と苦みに特徴のあるカリタ・ウェーブ式の
味の違いを主眼とした。

講師の狩野氏のサジェスチョンもあって、じっくりと時間をかけて抽出してみる。

やはりコーノ式が一番であると実感した次第で、コクや甘みが違うのである。

また、推奨レシピを記しておくと、中挽きのコーヒー30gに対して100cc
ひとり分の目安である。

ストレートで飲む際は、20g100ccの割合でも良さそうで、最初からミルクと
合わせる、アイスオーレ等の場合とレシピを変えてみる必要があろう。

アイスコーヒーについては、氷の考え方も多々あり、
薄まらないように氷自体も抽出したコーヒーを凍らせて使う場合や、
最初から濃い目に抽出するから氷は普通の氷で良いといった様々な考え方があり、
試作と工夫が必要である。



コーヒー講座272011/06/08 19:20

コーヒーマイスター実技研修
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)  トレイニング委員会主催
講師:土屋浩史氏(カフェプントコム)他

SCAJのコーヒーマイスター制度はトレイニング委員会により運営されており、
当日は委員長のバッハコーヒー社長・田口護氏、同社の中川部長、
ウエシマコーヒーの角地氏、UCC上島珈琲の佐伯氏ほか委員会のメンバーが勢ぞろいし
指導にあたるという、受講者にとっては大変貴重な研修の場となった。

内容は土屋氏の講義と主にカッピングの実習。
カッピングはまずは基本の基本を身につけるという趣旨で、
通常行っている、強く音を立て霧状にしてすするという手法を敢えてせず、
4つのサンプルの違いを理解してみようという内容。

カッピングフォームもきちんと用いる。
8つの評価項目のうち、フレーバー、カップのきれいさ、甘さ、総合評価の4つの項目に注目し、スコアをつける。

4つのサンプルはブラインドでカッピングし、のちにディスカッションする。
4サンプルのうち一つはコマーシャルコーヒーが入っているのだが、
これは誰にでも判別できたようだ。

グアテマラのEPWというグレードで、SHB、HB、SHに次ぐ4番目のもので、
焙煎も意図的に浅くしてあったため、他との区別はつきやすかった。
そのほかの3つがスペシャルティで、うち二つは大変わかりやすい、
ケニアとマンデリンでスコアも非常につけやすかった。

だが、もうひとつのサンプルが私にはいまひとつぱっとしない印象で、
やや甘味やアフターテイストが良かったぐらいで、
酸味にも際立った特徴はなく、まあ、バランスは良いという程度の評価だったのだが、
これがグアテマラのCOEの豆だったということに驚愕してしまった。

自分の評価もまだまだだ。たまにはCOEの豆も購入し、テースティングしなければ。

マイスター資格はこの実技研修を終え、筆記試験で100問中60問以上正解であれば、
認定されるとのことで、8月4日の試験日まで、暗記に苦しむ日々となりそうだ。



コーヒー講座262011/06/03 18:14

NOZY COFFEE


NOZY COFFEE主催
フレンチプレスセミナー

時間:10:00-11:00 (定時)
参加者:4名(定員4名)
受講料:¥1,000(税込)

豆の特徴が一番出易い抽出法といわれるプレス式をきちんと学ぶべく受講。

まずは、コーヒーとのかかわりなど自己紹介をさせ、座学に入るのだが、
講師の自己紹介はなく、結局誰に教えてもらったのか分からなかった。
人に自己紹介を乞う場合はまず自ら名乗っていただきたいものだ。

NOZY COFFEEのコンセプトはシングルオリジン。
コーヒー豆の生産国、生産地域、生産処理方法が明確で、
またそれらが一切ブレンドされていないコーヒー豆のみを提供するのだという。


最初に2種類の異なった香味のコーヒーをカッピング。
明らかに違うタイプというのが認識できる仕組みだ。

そしてこの日は5種類のコーヒーを味わうべく、ひとり1種類ずつ抽出して飲み比べ、
自分の好みのコーヒーを見つけようという趣旨。

コーヒーをより好きになってもらおうという導入セミナーとしては
大変良くできており、参考になる。

フレンチプレスで淹れたコーヒーは、
これまで一度も美味しいと思ったことはなかったが、この日のものはなかなか良かった。

教わったプレスの淹れ方。詳細がHPにあるが、ポイントを記しておく。

1.豆の量は18g。できあがり300cc目安
2.挽き目は中粗挽き。ペーパーと同じで良い。
3.ポットに湯を注ぎ温める。
4.タイマー(4分)をスタート、
  コーヒーの粉全体にお湯がいきわたるように1/3程度の湯をやや勢いよく注ぐ
5.30秒蒸らす。
6.30秒後、ポットを傾けて粉の層を崩さないように、限りなくゆっくりと
  ポットの淵に沿わせるようにお湯を注ぐ
。上から2cmくらい残す。
7.プランジャーをはめる。
8.タイマーがなったら、プランジャーをゆっくりと押し下げる。

この日、テースティングしたのは次の5種。
・ブラジル グロタフンダ農園(2010年COE)
・コスタリカ ブルマス農園
・ブラジル サンタイネス農園 ナチュラル
・ルワンダ マラバ農園
・ニカラグア ブエノスアイレス農園 マラカトゥーラ種
 マラカトゥーラはマラゴジッペとカトゥーラのかけあわせ

私が気に入ったのは、ニカラグアだった。
フローラルな香りで心地よい酸、飲みやすく、
ロングアフターテイストが印象的であった。

ブラジルのナチュラルはフレンチプレスで抽出すると
やはり油脂分が多く感じられ、少しくどい感じがした。

明るい酸や、華やかな酸を持つ香り高い豆には
確かにフレンチプレスという抽出は合っているのかもしれない。

因みにこの店では100g700円、200g 1200円、 300g 1400円、
400g 1600円 という、豆の総重量で価格が決まるという面白い値付けをしている。
スペシャルティでも100g700円は高い部類だが、400g1600円は相当安いといってよい。

テイクアウト販売やセミナーの開催も数多くあり、
好感のもてるコーヒーショップである。

今回、このセミナーでフレンチプレスに対する見方が変わり、
自分にとっては良かったと思う。

抽出法によりコーヒーの味は間違いなく変わる。
しかし、美味しいと思う味は人それぞれで、
それを決めるのは、提供する側ではなくてあくまでもお客様だ。
そのためにあらゆる抽出法に対応したいという考えは確固たるものとなった。







コーヒー講座252011/05/31 14:30

コーノ式珈琲塾
焙煎技術者養成講座・中級編を受講。

日程:土・日の2日間
時間:10:30-17:00 (両日)

参加者:3名(定員10名)
講師:河野雅信氏(珈琲サイフォン株式会社代表取締役社長)ほか

受講料:¥24,000(税・実習材料費込)
設備利用料:¥6,000(2日分)

中級編のカリキュラムは今回は以下の通り。

1日目。終日、焙煎実習。

10K釜を使用し、目標をクリアすることをテーマとする。
目標は次の2段階。

①マニュアルを見ずに焙煎できるようになること
②マニュアルと一か所操作を変えてみて、豆の変化、味の変化を確認する。

2日目は、主にサイフォン抽出の実習。

ポイントは湯が上がってきた時の粉と湯のなじませ具合にある。
まずは粉と湯をなじませ、次にコーヒーのエキスがきちんと抽出されるべく、
8の字を描くようにまぜ、最後にぐるぐると円を描くように撹拌する。

撹拌後、ロートの中がアク、粉、抽出液の3層にきれいに分かれ、
抽出時に黄金色の細かな泡が出れば成功
である。

このなじませ、撹拌する塩梅が非常に難しく、たとえ3層にきれいに分かれても、
味見をして味のない薄いコーヒーであったならば、抽出を促すための
なじませ方が足りなかったことが判明する。

かといってなじませた後、ただ乱暴にかき混ぜてしまうと、雑味が出て
抽出オーバーとなり失敗となる。

これも練習あるのみで、ドリップとともに日々積み重ねていくしか道はない。
店では、コーノ式ペーパードリップをベースとして、
要望があれば、サイフォン、ネルドリップでも提供できる
サービス体制を整えたいと思っているので、

今回のサイフォン講習は、何度も練習できる上、
失敗点や改善点を都度講師の方から教えて頂けるので、
非常に有意義で役に立ったと実感している。

次回は上級編を受講予定。