コーヒー講座182010/12/06 11:53

堀口珈琲研究所主催セミナー 抽出ー応用 ネルドリップ編
10:00-12:00 受講料:8,400円 参加者:6名
講師:堀口俊英氏

会場は通常の代々木上原店ではなく、
堀口珈琲が今年満を持して開店した千歳船橋駅前店。
ネルドリップによるコーヒーを提供している。

堀口珈琲千歳船橋駅前店

ネルドリップ抽出については、諸説あるが、堀口氏がレクチャーするのは
王道であるとのことで、ポイントを記しておく。

まずは外堀から
・ネルはトライアルアンドエラーを続けたが、現在はハリオ製を使用
・起毛は外側
・ドリップポットは垂直に湯が落ちるものが良く、湯が冷めにくい銅製を推奨。
 放物線を描くポットはNG
・粉:中挽き(ディッティングorみるっこ)※粗挽きでも良いが粉の量は増える。
・湯温度:95度でスタート
・一杯分抽出量は130g

抽出方法については、マニュアル化されている。
大きくは焙煎の深度によって細かく数値を決めていることである。

・粉の使用量。焙煎が深まれば豆の使用量を増やす。
・最初の一滴が落ちる(ファーストドロップ)までの時間。
 これも焙煎深度が深ければ長くなる。
・30g抽出するまでの時間、最終130gを抽出するまでの時間。
 焙煎深度との関係は同じ。

これらを決められた通り、きちんと計りとタイマーを使って抽出すること、
これが堀口メソッドなのである。
細かな粉の量や秒数などの数値は8,400円の受講料を支払った者だけが知り得ることが
できる。

また、昔は低品質の生豆を焦がし気味に焙煎したので、味をまろやかにするために、
ペーパーではなく、ネルが使われてきたのであり、そういった味をごまかすためのネルドリップノウハウは、王道ではないとのことである。

例えば、
・ネル側を動かして湯を注ぐことはあり得ない。
・湯は粉と接するような低い位置からやさしく注ぐもので、
 上部から圧が加わるような注ぎ方は絶対にしない
・加熱は絶対に(できるだけ)しない
・10杯分などまとめて抽出し、保存しておく方法はコーヒーの風味を損ねる。
 スペシャリティーの自家焙煎店ではあり得ない。

いまはスペシャルティーコーヒーという高品質の生豆を適正な状態で焙煎し、
ネルで抽出する際にはどのような方法が最適なのか、その知識と技術を最低限知っておくことが肝要なのであると力説していた。

ただし、一番大切なのは、自分がどのような味のコーヒーを作りたいのかということで、
そのための方法は抽出の時間等細部は変わってくるであろうから、
それは自分で探って見つけていくしかないのだという、
まさに王道的なコメントで締めくくっていた。

ネルについては諸説が溢れる中、
大規模店や中規模店のネル抽出に関する講義も受けたが、
自分にはこの堀口メソッドを基本とし、習得していくのが合っていそうである。