フィールドワーク(19)2010/11/05 11:30

新生銀座三越。
その6F、デイビッド・マイヤー カフェ
LAでレストランを3店舗持ち、ミシュラン一ツ星を獲得している
デイビッド・マイヤーのカフェ1号店。

フェイマス・デイビッドバーガー


フェイマス・デイビッド・バーガー 1,890円
このハンバーガーで唯一良かったのはバンズだけであろう。
ハンバーグは粗挽きでミディアムレアに近い焼きのため、ワイルド臭を感じ得ない。

ソースはなく、肉の味付けは塩・コショウのみ、他の具材はレタスのマヨネーズ和えと
冷え固まったチーズで、何の工夫もない。
典型的な素材本来の味を引き出すシンプルな味付が失敗しているパターンといえよう。

フライドポテトを食すソース、ガーリックマヨネーズも空振り気味で、
これならアメリカ西海岸らしくハインツのケチャップを瓶ごともってきてもらった方がまだ良い。

チーズケーキ


しかしながら一ツ星の本領を発揮したのがチーズケーキだ。 1,050円
特徴は薄切りのイチゴのトッピングとフランボワーズ風味の粉糖にある。
単体で食べるとやや濃いめと感じるチーズだが、
薄切りのイチゴと共に食すと酸味がほどよくプラスされ、
ちょうどいい塩梅となるのである。

また皿一杯に施されたフランボワーズ風味の粉糖が、
甘さの中にもしっかりと酸っぱさを感じさせ、フォークで切り分けた1ピースに
ほんの少しまぶしただけで甘酸っぱいイチゴの香りを引き立てるのである。


コーヒー



コーヒーはセットで500円、単体だと840円。オートドリップの画一的な味で
豆にもこだわりは見えない。
ケーキが秀逸であっただけにドリンクにほんの少しでも気配りがあれば
次があったのだが。




コーヒー講座142010/11/08 10:17

柴田書店インターリンク主催「コーヒー自家焙煎経営セミナー」
講師:田口 護氏(バッハコーヒー代表) 10:30-16:30(2日連続) 
参加者:11名  受講料:45,000円(2日分・税込・昼食付き)

参加者は仙台、広島、福岡、遠く韓国からも集まり、このセミナーの人気の高さを
物語っていた。
概要は以下。

1日目 システムコーヒー学の基礎知識 

1. 正しいコーヒーづくりのために
2. センサリースキル
3. 生豆の4つのタイプ分けと欠点豆
  (1) 欠点豆を知る
  (2) 味の違いと焙煎方法
  (3) 豆のバラツキを知ろう
4.焙煎過程と味
5.講義:「コーヒーの科学」旦部幸博氏(滋賀医科大学教授)
 16:30終了予定が旦部氏の講義が白熱し、18:00過ぎまで続いた。
 コーヒーを科学的な目線でとらえ、巷間流布されるウワサや定説など
 あやしいものを見抜いていく知識を身につけるという講義は素晴らしかった。
 旦部氏の珈琲に関するサイト「百珈苑」もたいへん興味深い。

また、味覚を磨くためのセンサリースキルは、SCAAのカッピングジャッジ試験でも
採用されている酸味、甘味、塩気の3段階を見分ける訓練方法を習い、たいへん為になった。

2日目 焙煎講習

1. 焙煎デモンストレーション マイスター5K釜
2. 焙煎機マイスターについて 講義と2.5K焙煎デモ
 (大和鉄工所マイスター担当 岡崎俊彦氏)
3. 焙煎実習 マイスター5K、フジローヤル1Kを使う。
4. 焙煎過程サンプルについて
5.バッハ焙煎工場見学

入門編ですでにマイスターの実力は見ていたが、やはりコンピュータ制御による
作業のオートメーション化は相当な魅力である。
これにより通常つきっきりで行わなければならないダンパー操作が自動化され、
生豆投入から煎り止めまでの間は他の作業をすることができる。
また、何回やっても誰がやっても同じ結果となり、
焙煎ブレのない同じ味づくりが可能となるのである


価格も公表されているが、この焙煎機は他メーカーと比して相当高く、
導入するには全体予算との兼ね合いでかなりの検討をしなければならない。





食品衛生管理責任者2010/11/11 11:43

食品衛生責任者養成講習会に参加。
午前9時45分~午後4時30分
  
衛生法規 :2時間
公衆衛生学 :1時間
食品衛生学 :3時間(テスト含む)
受講料:1万円

テストは合計6問、簡単な三択問題で、講義を聞いていれば誰でも合格できる。
講習会終了後、食品衛生責任者手帳が配布され、
開業にMUSTの要素である、食品衛生責任者の資格を得たこととなる。


食品衛生責任者手帳


テキスト表紙


分厚い教本は276ページもある。
はっきりいって全く効果の見られない無駄なイラストに4色を使うのは、
編集センスのなさを通り越した都民税の無駄使いといえよう。


テキスト中身


イラスト


民間の出版社なら絶対にこのような仕様の本は作らない。

この事業を取り扱う社団法人東京都食品衛生協会は無駄な4色刷りを2色刷りにし、
ページ数を減らすなどして教本のコスト削減に努め、
受講料を1万円から5千円程度にすべきである。

次の都知事には事業仕分けに鑑識眼のある人物になってもらいたいものである。

さて、食中毒に関するポイントを記しておく。

東京都の平成20年までの10年間の主な食中毒発生状況を見てみると、


食中毒発生状況グラフ


・ノロウィルス………………………272件・8423名
・カンピロバクター…………………217件・1783名
・腸炎ビブリオ………………………125件・1733名
・サルモネラ…………………………112件・1777名
・黄色ブドウ球菌……………………61件・1097名
・腸管出血性大腸菌(O157等)  …30件・561名

昨今増えているのがカンピロバクター。
鶏肉の生食や加熱不足が原因のようで、発熱・腹痛・下痢等の症状のほか、
ギランバレー症候群を引き起こす可能性があるそうだ。

また鶏肉は新鮮であればあるほど、細菌のいる可能性は高まるそうで、
注意を喚起していた。

いずれも食材の加熱や洗浄、調理者の手指の洗浄、消毒が求められている。



イル・プルー(3)2010/11/11 12:52

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ主催
「嘘と迷信のないフランス菓子教室・入門速成科」(全20回)

第3回「ミートパイ」&「クリーム・ブリュレ」


ミートパイ


パイ皮を作るのはたいへん難しい。
過程は至極簡単で、強力粉、薄力粉、バター、水、酢、塩をまぜ、
かたまりにしたものを薄くのし、折り重ねていくというだけだが、
定められた規格に成型していくのが技術的に難しい。
習得までにはかなりの練習と経験を要するであろう。

フィリングは白ワイン、キャトルエピス、ナツメグ、にんにく、エダムチーズ、
玉ねぎ、パセリ
等が入って香り高くミートパイ全体としての上品さを
引き出している。

キャトルエピスは4種類のスパイスという意味で、クローブ、コショウ、
ジンジャー、シナモンが入っており、フランスでは定番のスパイスだそうだ。
ナツメグはホールのものをすりおろす。

こうした何種類ものスパイスが肉の臭みを抑えることだけではなく、
他の野菜と相俟って香り高い一品に仕上げる所以といえよう。

クリームブリュレ


クリームブリュレはフランス産の赤砂糖=キャソナード
マダカスカル産のバニラ棒を使用していることに特徴がある。

口どけ、香り、味わいともにこれまで食べたブリュレの中では最高であった。
作り方はそれほど複雑ではなく、材料へのこだわりを守れば、ストックメニューとして
採り入れるべき一品であろう。


技術訓練(6)2010/11/12 10:03

ベイクドチーズケーキ再々。
先回に比し酸味とコクを出すため、以下二通りのレシピで試作。

○基本生地
 クリームチーズ
 生クリーム
 グラニュー糖
 全卵
 レモンの絞り汁
 レモンの皮のすりおろし

レシピ(1)
 サワークリームを生クリームにし、ゴーダチーズをすりおろして加えた。
 さらにレモンエッセンスで風味をプラス
 粉は使わない。

レシピ(2)
 ゴーダチーズは入れない。
 フランス産のレモンリキュールを試用。

チーズケーキ2種

結果、(1)は上々であったが、
(2)はアルコール度の高いレモンリキュールを加えることでコクと酸味両方に
活かされるかと思ったが、ベイクドのためあまり効かなかったようだ。

今回はゴーダチーズと生クリームを使ったため、コクは表現できたものの
酸味がまだ足りないと判断。

これを受け、妻が大幅な改革をし試したものが以下。

クリームチーズ………………50g
カッテージチーズ……………50g
ゴーダチーズすりおろし……少々
ヨーグルト……………………1/4カップ
生クリーム……………………1/4カップ
グラニュー糖…………………1/4カップ
全卵……………………………1個
レモンの絞り汁………………小さじ2
レモンの皮のすりおろし……1/2個
小麦粉…………………………大さじ1.5
レモンリキュール……………少々


チーズケーキ


試作のため、少ぶりであったが、カッテージチーズとヨーグルトで
酸味が目指す味わいに到達したことに驚く。
またコクもしっかりと感じられ、バランスの良いチーズケーキに仕上がった。
カロリーもだいぶ抑えられている。

しかしながら口当たりにやや難があり、カッテージチーズを裏ごすかもしくは
混ぜ合わせた生地全体を一度裏ごして再トライしてみる。

また、グラニュー糖ではなく、ブラウンシュガー、もしくはフランス産の赤砂糖
(カソナード)を使った際の違いを見るのが次の課題である。