イル・プルー(1)2010/10/08 10:54

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ主催
「嘘と迷信のないフランス菓子教室・入門速成科」
13:00-17:00 参加者:20名 受講料:24万円(全20回) 


イル・プルーの第1回目は「ベイクド・チーズケーキ」
この講座は4月開講のため、受講者のほとんどは折り返し点(11回目)であるが、
私は10月開講生なので、第1回となる。


講師は椎名眞知子氏。テキストは以下、市販もされている。

「ベイクド・チーズケーキ」の材料はクリームチーズ、卵黄、牛乳、レモン汁、
薄力粉、生クリームなどで、いわゆる湯せんで焼き上げるスフレタイプのもので、
他とあまりかわらないであろう。

イル・プルーがこだわっているのは、メレンゲで、
卵白を1-2週間20℃以下の場所で寝かし、
さらりとさせた、いわゆる水溶化させたものを使うのである。
これにより泡立ちや完成した時の歯触りがまったく異なるという。


イル・プルーのチーズケーキ


さて、完成したチーズケーキは驚くほどふんわりとしており、口どけがいい。
出来立てよりも一晩寝かせた方がしっとり感がでて良いように思われる。
コーヒーに合わせるには、少しあっさりしすぎている感もあり、もう少し
コクを表現すべく、他のレシピも参考に試作をしなければならない。

この教室では全20回のうち、6回、リキュール日という懇親の場が設けられている。
講師に気軽に質問をし、生徒同士も交流して欲しいという趣旨だそうで、
初日の私もアルコールが入り、すっかり打ち解けることができたのである。

この日のリキュールは、フランス産のランボワーズリキュール

リキュールの日の意味はイル・プルーが菓子作りに使っているものを
味わってもらいたいということもあるようで、
この日のフランボワーズリキュールはフランスの最高級品との説明があった。

まずはそのままで頂く。香り高く、一口口に含むと、芳醇な果実の甘さと酸味が広がり、
なめらかな舌触りと相俟って、最高級ポルト酒を思い出させる。


これに出来立てのピザが供される。
ピザ生地はパイ風のさっくりとしたもので、ほんのりバターの風味を感じる。
具はアンチョビ入りのトマトソースに生トマトで、絶妙な火の通り加減が
トマトの甘みを引き立てている。

トマトだけを少し低温でじっくりと焼いてから、最後に生地と合わせているのだろうと
質問したが、最初から生地と一緒に焼いているそうである。

さらなるリキュールの楽しみ方が披露される。この最高級フランボワーズリキュールを
シャンパンで割る。いわゆる「キール・インペリアル」である。
フレンチレストランでオーダーするなら2000円近くはするであろう
このカクテルを、講師も「まだたくさんありますよ、飲んで!飲んで!」と
明るくふるまうので、みな、2-3杯は飲んでいたようである。


こうしてイル・プルーの顧客取り込み戦略にはまり、ファンとなっていくのである。



フィールドワーク(12)&ロケハン2010/07/28 10:31


トゥランシュ・シャンプノワーズ


代官山 イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ
トゥランシュ・シャンプノワーズ 714円。

高校の友人の紹介で訪問。一日教室に参加した友人が、
メレンゲを作るのに卵白を3-4日寝かせることに驚いたという店。

さて、話は多少長くなるが、私は開業関連のどのスクールに通うかずっと迷っていたが、最近ようやく方針がまとまってきた。

それは、東京商工会議所のセミナーで経営や資金調達について学び、
コーヒーやスイーツについては別に専門のところに通うというものだ。

東商の創業ゼミナールは全8回で内容もしっかりとしていて、費用も8回分で5,000円と破格の安さである。
これはみのりカフェのセミナーで教えて頂いた。

コーヒーについてはカフェ・バッハ堀口珈琲研究所で学ぶ。
またKEY COFFEEやTully'sの講座にも参加してきた。
そして頭を悩ませていたのがスイーツであるが、一時はコルドン・ブルーを考えていた。
しかし、私には敷居が高く、値段も高額で、いまひとつ気が乗らなかった。

当初は、カフェ開業というときの東京での三本柱、
レコールバンタン
カフェズキッチン(佐奈栄学園)
リライブフードアカデミー

などを考えていたが、各々100万くらい費用がかかってしまうことが
ネックであった。

そこで出会ったのが、このイル・プルー・シュル・ラ・セーヌである。
ここには入門編として全20回で24万、また半分の10回コースもあり、
基本的な知識とスキルを身につけるのに十分であり、費用もリーズナブルなのである。

しかしながら、スクールに通うとすれば、その店のケーキが本当に自分に合っていて、
おいしいと感じるかどうかは重要な観点であり、それを確かめるためにこの店を訪れたのである。

冒頭の名前が覚えられない「トゥランシュ・シャンプノワーズ」は、ひとことでいえば、上品な大人の味といったところであろうか。複雑な味わいがあり、私にはうまく表現できない。

帰って妻が何気なく開いた『東京五つ星SWEETS』という本にこの店が掲載されていた。そこには次のような記述があった。

“シャンパンのムースと軽い味わいのバタークリーム、ジェノワーズ、
ダクワーズを基本に、チョコレートのガナッシュがかかるなど、
様々な素材から作られた菓子。
シャンパンとマール酒の香りがふわっと広がる。”

このイル・プルー・シュル・ラ・セーヌの教室では、
店で販売しているものと全く同じものを作るコースもあり、
そちらは40回で999,600円の授業料がかかるのである。
ともあれ、このスクールの入門コースに10月から通うことを決めた。

科学的でロジカルな作り方を提唱するこの店のオーナーシェフ・弓田亨氏が店名を決めた時のエピソードも気に入っている。

"IL PLEUT SUR LA SEINE——フランス語で、「セーヌに雨は降る」という意味です。
 
初めてのフランスでの研修。小雨にけむるセーヌの河岸は、ちょうど2歳になり片言を話し始めたばかりの、日本に残してきた子供を偲ぶための、これ以上とない情景でした。子供心にも全てを理解し、母の腕の中で「行くな」とバタバタあばれる様は、私の忘れえぬ、生きていく限りの心の傷であり、私のお菓子作りの人生を大きく規定するものでした。

 店を開くにあたり、あの時の思いを織り交ぜた名前を付けたいと考えました。精神性溢れるお菓子作りをめざし続けるための、自戒を込めた名前の選択でした。

「セーヌに雨は降る」
 
私のお菓子作りへの思いと生き様は、全てこの名前の下にありました。"