8月15日2013/08/15 00:00

8月15日。この日がくると、ここ数年は何といっても丸山眞男を思い出す。

日本政治思想学者・丸山眞男。戦後民主主義のオピニオンリーダーとして活躍し、1996年(平成8年)8月15日に亡くなった。

2002年に氏の映像評伝制作に携わった。

元々、『丸山眞男と音楽』という丸山の教え子の中野雄さんが書いた本があり、これを映像化したいと企画した。丸山の好きだったクラシック音楽を紹介しつつ、音楽用語を使ったその思想を音楽入りでやればずっと解説しやすいのではと考えたのだ。が、その企画は通らず、丸山をやるならきちんと評伝をやりなさいということになった。

映像をリリースする会社の当時のCEOが丸山がお気に入りの学者であったことやその他諸々の理由で気合が入り、自腹で全集を古本で買って読むことからはじめた。

第1楽章から第4楽章まで楽章仕立てで起承転結があり、最終章はナレーションで「丸山眞男は生きている」がリフレインされ、見るものをひきつける。ナレーションは加藤剛さん。

 バッハのシャコンヌ(「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」)が映像の中でも上手に使われている。シャコンヌは、執拗低音について論じる丸山の論文中にも引き合いに出され、丸山を語るうえで極めて重要な要素である。
 
とてもすばらしい演出を手がけたのは吉川透さん。やっているうちに自他ともに認める丸山好きになり、のちに講演したりNHKラジオ深夜便に出演したりするほどになる。
 
毎年8月15日に丸山眞男を顕彰する「復初の集い」を開いている、丸山眞男手帖の会。2002年の回を取材し、映像の中で紹介した。講演者は筑紫哲也さんだった。http://members3.jcom.home.ne.jp/mm-techo.no_kai/fukusyo/history/2002/index.html

この年の会に、映像のために天満敦子さんをお呼びして、バッハのシャコンヌを弾いていただくことはできないだろうかとお願いした。天満さんのシャコンヌを丸山が聴いていたからだ。

手帖の会から中野雄さん経由でお願いしたところ、天満さんは快諾してくれた。

手帖の会には相当な協力をしていただいた。2004年8月15日の第5回には吉川監督が講演をした。http://members3.jcom.home.ne.jp/mm-techo.no_kai/fukusyo/history/2004/index.html

それ以来、手帖の会への御礼のために毎年8月15日の丸山眞男手帖の会の模様をたったひとりで記録のため撮影してきた。それは2009年まで続いた。

そんなわけで手帖の会との交流が途絶えた今も、8月15日が来ると復初の集いと丸山眞男が思い出されるのである。

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