コーヒー講座232011/04/25 15:18

コーノ式珈琲塾
焙煎技術者養成講座・初級編を受講。
日程:土・日の2日間
時間:土曜:10:00-17:00
   日曜:10:30-17:00
定員:10名
講師:河野雅信氏(珈琲サイフォン株式会社代表取締役社長)ほか

受講料:¥24,000(税・実習材料費込)
設備利用料:¥6,000(2日分) 名門フィルター、円錐ペーパー40枚付 

ペーパードリップで有名なコーノ式を販売している珈琲サイフォン株式会社による
珈琲塾で、コーノ式の本家本元の抽出論とスキルを学んでおくべく受講。
ポイントを記述しておくが、最大のメリットは、これ!!

ユキワM-5改良型


ユキワのM-5ポットを購入できたことである。

M-5 2ショツト2


実は我が家には既に1台、M-5があり、スキル鍛錬のため、
毎日使っていて、これで2台目となるのだが、

今回購入したポットにはコーノ式独自の改良が施されている。
まずは、注ぎ口。

M-5 2ショットフカン

注ぎ口の比較

                          右側が改良型


コーノ式ドリップの最大の特徴といえる点滴手法が、うまく行えるよう、
注ぎ口の先端を細くしてあるのである。

第2に内部のストレーナー(茶濾し)を取り外してあること。

M-5 中

                   右が通常、左側が改良型でストレーナーがない


本来、このポットは、ホテルなどで抽出済みの紅茶やコーヒーを入れて、
客席でサーブするために作られている。
そのため内部にストレーナーがあり、
茶がらやコーヒーの粉が混じらないようになっているのである。

しかし、コーヒー抽出のために単にお湯を入れて使う場合は、
ストレーナーは意味がないので、取り外しているのである。

販売しているポットは、ユキワに特注で作ってもらっているので、
非常に丁寧な作りになっている。

そして、今回特別に受講生を対象に割引で販売するというのだから、買わない手はなく、
このポットに出会えただけでも受講した価値はすこぶる高いといえよう。

実習では、この改良型のユキワのポットを使って行うのだが、
改良型ポットにも2種類があり、両方試してみて、自分に合うポットを選ぼうという、
まさに実践、プロ向けの講義である。

改良型の2種類のうちのひとつは前述の注ぎ口が細くなっているもの。
もうひとつは広口、ベロ口と呼ばれているもので、先端を細くせずに、
下に曲げているものである。

広口も、点滴手法がやりやすく、細口よりもひと粒ひと粒の水滴が
やや大きくできるような感覚であったが
自分には細口の方が手になじんだのであった。

さて、講座の内容、ポイントをまとめておく。
初日午前中は座学。コーヒーの基礎知識、産地別の豆の特徴等を学ぶ。

午後からは受講者10名が抽出チーム、焙煎チームの2グループに分かれ
実習を行う。自分は初日が焙煎。

初級編の焙煎に関する特徴は以下。

・FUJI ROYALの直下式10キロ釜を使用。1回に3キロを焙煎。
・まずは講師がデモを行い、
 その後、ひとりひとり、自分の手で焙煎を行うことができる。
・ひとり2回実習でき、好きな豆を選べる。
 この日はブラジル、コロンビア、ケニア、ペルーの4種。
・焙煎機には改良が施してある。基本の考え方である強火の遠火を実現するため、

 ①火力を増設
 ②バーナーとドラムの距離を広げる
 さらにやわらかい丸みのあるクリーンなコーヒーに仕上げるために、
 ③排気ファンを増設し、ダンパーに直結
 ④サイクロンを冷却用・排気用と2台別々に設置する

また、狙いは、安心、安全に作業を行う為に、
マニュアルに従ってまずは焙煎機の操作に慣れることにある。

操作は、大きくいってガス圧とダンパーのふたつだけといってよい。
また、豆の種類を問わず、
釜内の温度の変化だけに注意を払い、操作すれば良いマニュアルになっている。

通常初心者への焙煎講習は1キロ~3キロ釜で行うのであろうが、
ここでは10キロ釜でしかも火力を増設している、スーパー焙煎機で実習するというのが、コーノ式のコンセプトある。

尤も中級編では、実践的な5キロ釜を使用するというカリキュラムになっている。

2日目。

午前中は河野塾長自らによるサイフォン抽出のデモ。
さらに下記6パターンで豆の挽き具合、浸漬時間による味の違いを考察する。

1.中挽き 60秒
2.中挽き 70秒
3.中挽き 70秒
4.細挽き 60秒
5.粗挽き 60秒
6.間違った抽出方法

午後は、コーノ式の抽出について。河野塾長の講義とデモがあり、
あとはひたすら実習である。

本家本元の抽出のポイントは以下。

・最初は粉に湯を置くように、一滴、一滴、水滴の状態でゆっくりとなじませてゆく。
・エキスが落ちはじめ、粉に十分湯が浸透したら、湯量を増やし、
 ひとまわしかふたまわし程度の量を、円を描くように少しずつ注いでゆく。
・最後の1/3の注湯スピードは速く、したがって湯量も増やす。


コーノ式の抽出講義は、堀口珈琲研究所他、グラウベルやCafe Obscuraでも習ったが、
本家本元は思いのほか、時間をかけるということにあった。


どこでも3-4分というところをここでは5-6分としている。
時間配分は、とにかく最初の1/3の抽出に3分半から4分費やしているという
感覚である。


こうした基本をベースに、豆の種類や焙煎深度により、粉の量、メッシュ、湯温、
抽出時間などを調節して理想の味作りを行っていくのである。

2日間を通して、非常に濃い内容であった。何より河野塾長が大変気さくな方で、
初心者の不安や質問にも懇切丁寧に応じてくれるのがよい。


こうした塾長のキャラクターに魅せられ、この塾には多くの若者が集い、勉強会が開かれている。その熱気たるや一種の梁山泊のような雰囲気が感じられるのである。

これだけの内容で2日間の施設使用料含め、3万円の受講料は破格の安さといえよう。
また、フレンドリーで敷居が高くない雰囲気が良い。

中級編も引き続き受講する予定である。

尚、焙煎した豆は全て持ち帰ってよいことになっており、ひとり4キロ以上になる。
ということで、我が家だけでは消費し切れないので、下記の条件付きでご希望の方がいらっしゃれば無償でお送りしますので、コメント欄よりご連絡ください。


お譲り出来る条件

・送料をご負担ください。着払いにてお送りします。
・豆のままで挽かずにお送りします。
・先着順に4種類の豆(ブラジル、コロンビア、ケニア、ペルー)をお送りします。