桜井章一VS羽生善治2011/05/09 11:45

名人・羽生善治の調子が良くない。
先週行われた第三局も敗れ、これで三連敗と後がない。

確かに今期、挑戦者・森内俊之の指しまわしはすばらしい。
羽生の調子も悪いが、森内の調子は絶好調といえよう。

特に第三局の終盤、森内の▲73手目4六飛成。
これは受けの妙手で、かつての名人・丸山忠久が見せた激辛流を思い起こさせた。
この手を見て羽生は指す気を無くしてしまったのではなかろうか。

さて、こうした状況で興味深い記事を発見した。

近代麻雀表紙

近代麻雀記事01


「近代麻雀 2011.6.1号」(竹書房)
桜井章一の連載エッセー、第273回。

桜井章一の名は麻雀好きなら一度は聞いたことがあろう、
「雀鬼」と呼ばれ、代打ちという裏稼業で引退するまで20年間無敗という
驚異的な伝説を持つ。著書も多数あり、麻雀界を超え、様々な分野で交流があるという。

その桜井章一を、羽生善治が名人戦第一局終了後に訪問したという記事だ。
対談は七時間に及んだというが、その内容は明かされていない。
無論、数ヶ月後には書籍化、DVD化されることにより、何が話されたか、つまびらかにされるのであろう。

「前から一度お目にかかりたくて」
「なら何で今頃来るのよ」
「四十歳になって、今日が何かの変わり目、きっかけだったんです」

もしかすると、羽生は第一局を先手で落とした後、名人失冠の何かを感じとったのでは
なかろうか。そして、機運を変えるべく、桜井章一に会いに行ったのではないか。
天才同士にしか感じ取れないオーラを求め、何かを掴みたかったのである。

近代麻雀記事02

これは私の推測に過ぎないが、
結局羽生はこの対談後の二局目、三局目を落としている。

しかし私はここからが羽生の本領発揮の魅せどころと捉えている。
渡辺明が2009年に羽生に三連敗した後、四連勝して竜王位を防衛したように、
羽生は何かを見せくれるはずなのである。将棋ファンは羽生の底力を信じている。

そして名人防衛後に出版された桜井章一との対談本は飛ぶように売れ、
出版業界だけでなく、日本経済に活を与え、明るい未来をもたらすのである。

さて、羽生は近著でこんなことを述べている。

“「大局観」は多くの経験から培われるもので、
自分以外の人間の過去のケースをたくさん見ることでも磨かれていく。
いわば、「大局観」には、
その人の本質的な性格や考え方がとても反映されやすいのである。 ”

『大局観ー自分と闘って負けない心』(角川書店)

名人戦・第四局が待ち遠しい。




技術訓練(9)2011/05/12 12:04

レモンタルト。

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌで習ったのは
レモンのタルトレットには「パート・ブリゼ」を使うのだが、
今回は甘味のある「パート・シュクレ」を使ってみる。

アパレイユのレシピはイル・プルーのものに
改良を施し、以下のようにしてみた。

全卵………………………………30g
グラニュー糖……………………55g
バター……………………………20g
レモン汁…………………………10g
レモンの皮のすりおろし………1/4個分
レモンエッセンス………………1~2滴
バニラエッセンス………………1~2滴
オレンジピール…………………1/2ポーション

から焼きせず、一度に焼く。
190℃で20分、様子を見てみると、まだアパレイユがゆるい。
その2-3分後でもまだ柔らかく、最終的な焼き時間は計25分であった。



レモンのタルト2

レモン汁はわずか10gだが、さわやかな酸味がきちんと感じられる。
粉を入れていないので、触感はクリーミー、オリジナルで取り入れた
オレンジピールの風味と相俟って、なかなかの出来。

すっきりとした明るい酸を持つコーヒーとのマリアージュを考えたい。


コーヒー講座242011/05/16 10:53

堀口珈琲研究所主催 テースティング会(第82回)
受講料:5,250円
参加者:15名
講師:堀口俊英氏

毎回12種のコーヒーをカッピングするのだが、今回は何と11種がケニア産。
同じ産地のものをカッピングする場合は、ポイントを絞った方がよい。

良質なケニアの豆を把握すべく、下記項目を重視し、
テースティングしてみようという趣旨。

・第一に酸の質。冷めたときはどうか
・香り(フレグランス/アロマ)
・Body
・アフターテイスト

まずは第1セッションの6種
1.ウガンダ
2.EAAGADS農園1
3.EAAGADS農園2
4.MOCHANA農園
5.ORKLANDS農園393
6.RUKERA農園

1のウガンダを80点程度とし、スコア付ける。
堀口珈琲は、SCAA方式のカッピングフォーム。

まずは、自分のスコア

1.79
2.82
3.84
4.85
5.86.5
6.84

基本的にケニアは、明るい酸があり、ボディも他の産地と比べれば強い方なので、
5種類の明確な違いがわからず、非常に戸惑った。

自分の印象は#5のボデイとアフターテイストが抜き出ていると感じ、
最高点を付けたが、実はそうではなく、全てキャラクターが明確なので、
85点以上を付けて良いレベルというのが講師の評価であった。

因みに堀口講師のスコアは、

1.80
2.85.5
3.85.75
4.86.5
5.86.75
6.86.5

#5に最高点を付けた参加者は多く、
やはりロングアフターテイストがポイントのようであった。
酸の質も、冷めたときにどう変化するかに注視し、
#2は、冷めると明らかに質がダウンするので、
少しポイントが下がるということであった。

続いて第2セッション

1.NYANJA農協
2.KARANGAITA農園
3.KIANJR農協
4.RIANJAGI農協
5.KIANYAGA農協
6.KIRIMARA農園

自分のスコア

1.82
2.88
3.83
4.84
5.85
6.85

堀口氏のスコア
1.83.75
2.86
3.83.75
4.87
5.86.25
6.86.75

さて、#2が他と比べ際立っているというのは、ほぼ全員が感じたようで、
堀口珈琲のスタッフの一人も87.25という最高点を与えていた。

これは、好みもあろうが、典型的なネクター系の酸味で、
そのフレーバーは、マンゴーであり、パッションフルーツであり、パイナップルであり、とにかくトロピカル系のフルーツジュースが如く、ただ酸っぱいだけでなく、
きちんと甘味もある、際立った特徴を持つ豆である。

自分ならばこれをお客さんに提供したいと思い、最高得点を付けた。

しかしながら、堀口氏のポイントは違うところにあった。
確かに#2はセントラルアメリカのカッピングに混ざっていたならば、
確実に90点以上のスコアがつくであろう。

また、いま飲むのであれば、高評価であろうが、ややボディーが弱く、
数か月先までこの香味が保たれるかどうかはわからず、
またフレンチローストには耐えられないので、それほど点数は高くない、
ということであった。

#2に比して、#4や#6は、酸の質がライムやオリーブなど複雑であり、
冷めても劣化しないのが良く、フレンチローストに耐えられるのが
高得点につながっているという。

ケニアのように複雑な酸があり、様々な顔を持つ豆をカッピングする場合は、
現行のSCAA方式のカッピングフォームでは限界があるとう解説もあった。

堀口珈琲がその豆を購入するかどうかの大きなポイントは、
深煎りに耐えられるかどうかである。

スコアの付け方は本来、そのように買い付ける側によって変わるものであり、
実際、アメリカの会社では独自のカッピングフォームを
用いているところもでてきているのだという。

今後、堀口珈琲でも独自のカッピングフォームが必要になってくるであろうということであった。

堀口珈琲では、この11種の中から3-4種のものを買い付けたそうだが、
後半#2のKARANGAITAも入っており、近々販売されるというので、
これはもう一度是非飲みたいと思っており、どのような焙煎になるのか、
期待するところ大である。



名人戦第四局2011/05/23 11:05

羽生名人がようやく一勝を挙げたが、やはり調子は良くないようだ。

矢倉の定石系から▲名人が穴熊に移行した形は絶対に負けたくないという
強い意志が感じ取れたが、挑戦者の森内が中盤連続で指した温い手を、
首尾よく咎められなかったことに羽生の不調が見てとれた。

森内の△82手目の2六銀と、香車取りに指した△84手目の1七歩。
結局この香取りが残ったまま終局を迎えたのだが、
こんな緩手があったにもかかわらず、
勝利まで133手という長手数になってしまったのは、
明らかに好調時の羽生ではないと言って良い。
尤も終版、森内の112手目の3三飛車が受けの妙手で
これが、対局を長引かせたのではあるが、羽生の寄せも
いまひとつであったのも否めない。
第五局は5月31日(火)、6月1日(水)、宝塚市で。
羽生名人は後手。横歩取り8五飛か、角替わりか、
いずれにせよ最新形の魅せる将棋で二勝目を挙げてもらいたいものだ。


フィールドワーク(30)2011/05/23 12:48


ラベイユ外観

ラベイユ 荻窪本店へ。

今や渋谷、丸ノ内、銀座、名古屋、京都、大阪、福岡と、
出店を拡げるはちみつの専門店ラベイユだが、その本店は杉並区荻窪にある。

ケーキやドリンクなどに使いたいと前々から考えており、
仕入れの挨拶とテースティングを兼ね、訪問。

ラベイユのはちみつを用いたいのは次のようなメニュー。

・チーズケーキ
・パウンドケーキ、クッキーなどの焼き菓子
・トースト
・サンドイッチ用のハニーマスタードソース
・ピクルス
・カフェラテ
・レモネード
・ハーブティー、アイスティー

スタッフの方からひとつひとつ、説明を受けながら、
約30種類のはちみつをテイスティング。

はちみつも、ワインやコーヒーと相通ずるフレーバーがあり、
フローラル、シトラス、クリーミー、スパイシーなど
様々な香味があることを教えて頂いた。

マリアージュについても、様々な角度からレクチャーして頂き、
懇切丁寧にご対応頂いたスタッフの方には心から感謝したい。

テーステイングした結果、

◇スイーツに使いたいはちみつは、

・クリーミーマルチフラワー
 ヒマワリや栗などのいわゆるブレンドだが、くせがなく、香り高い。
・さくらんぼ
・ラベンダー
・ラズベリー
・オレンジ

 焼き菓子のように火を入れる場合は、焼いても香りが飛ばないはちみつを
 選ぶのが肝要。

◇トーストに合い、人気が高いもの

・あざみ
 ラテにも合うそうだ
・アルファルファ
・ユーカリ
 そのまま使う場合は、香りの高いものが好まれる。

◇レモネードには

・イタリア産レモン
・さくらんぼ

ラベイユでは、日本、イタリア、フランスをはじめ、ギリシャ、ニュージーランド、
オーストラリア、スペイン、台湾など世界各国のはちみつを取り扱っているが、
私が積極的に使ってみたいと思っているのが、イタリア産のものだ。


ラベイユのパンフ

ラベイユのパンフ2


ラベイユのイタリア産はちみつは、
全てICEA(イタリア有機認証機関)の認定を受けたオーガニックのものだからで、
安心安全で“自然のパワーが感じられる陽気なおいしさ”を様々なメニューで試してみたいと考えている。

ラベイユのはちみつ

CILIEGIOは、さくらんぼ。まずはチーズケーキの甘味に採り入れてみたい。



また、オーガニックの紅茶も仕入れ対象の一つだ。

阿佐ヶ谷に本社のある、マカイバリジャパンの輸入する、マカイバリ農園の紅茶である。


マカイバリ茶園のダージリン


今年の春摘みのダージリン・ファーストフラッシュ(Vintage)を試してみたが、
香り高く水色も良く出ていて、上品な味わいであった。
100g 2,835円の品だが、ダージリンのファーストフラッシュにはこだわりたいと思っている。

さて、紅茶の輸入販社がもうひとつ阿佐ヶ谷にある。
リーフルという会社で、伊勢丹等にも卸し、扱う農園も様々で、手広く事業を行っているようだ。こちらの茶葉も近々に試してみるつもりだ。

ラベイユやマカイバリジャパンのような杉並区の優良企業の食材を豊富に仕入れ、
杉並区をより元気に、と考えている。