技術訓練(7) ― 2011/02/15 12:07
クーベルチュール・チョコレートはもとより、
ココアパウダー、カカオバターに至るまで全てフランス・ペック社のものを使う。
ココアパウダー、カカオバターに至るまで全てフランス・ペック社のものを使う。
どのチョコレートを使うかは、パティシエそれぞれにこだわりがある。
まずは師の弓田亨氏
「チョコレートは持続力と力を持たせるために2種類を使う。
ひとつは香辛料を思わせる刺すような香り強いペック社の"スーパーゲアキル"。
もうひとつは香りには乏しいが、後からどすんと男っぽい味が舌の上におりてくる
ペック社の"ベネズエラ"。"べネズエラ"でしっかりとした土台を成し、
"スーパーゲアキル"の香りで印象を増し、余韻を長くしている。」
「チョコレートは持続力と力を持たせるために2種類を使う。
ひとつは香辛料を思わせる刺すような香り強いペック社の"スーパーゲアキル"。
もうひとつは香りには乏しいが、後からどすんと男っぽい味が舌の上におりてくる
ペック社の"ベネズエラ"。"べネズエラ"でしっかりとした土台を成し、
"スーパーゲアキル"の香りで印象を増し、余韻を長くしている。」
柳正司氏(パティスリー タダシヤナギ)
「チョコレートは酸味が少なく苦味と甘味のバランスがいい、ヴェイス社の
"ノワール・レコルタ"を選んだ。ナッツを思わせる個性もあり、おいしさがじわーっと伝わってくる、濃くなりすぎないよう、ひと口目では"薄いな"と感じるが、三口目を食べ終わる頃にはちょうどいいトーンの味になるように配合している。」
岡田吉之(ア・ポワン)
「カカオ分55%のブラックチョコレート、フランス・カカオバリー社のルノートル仕様の
"オペラ"を使用。ココアはバンホーテン社"ピュアココア"。チョコレートはおやつ感覚の菓子として親しみやすい味のものを選び、ココアを際立たせる。微粒粉のココアはストレートに香りが立つ。」
「カカオ分55%のブラックチョコレート、フランス・カカオバリー社のルノートル仕様の
"オペラ"を使用。ココアはバンホーテン社"ピュアココア"。チョコレートはおやつ感覚の菓子として親しみやすい味のものを選び、ココアを際立たせる。微粒粉のココアはストレートに香りが立つ。」
さて、出来はまずまずであった。
固すぎず柔らかすぎず、フォークの入り方もちょうど良く、
甘味と苦味のバランスも良い。
固すぎず柔らかすぎず、フォークの入り方もちょうど良く、
甘味と苦味のバランスも良い。
若干、おそらく1-2分の範囲であろうが、焼き過ぎの感がある。
しっとりとした柔らかさの加減は最終的な焼き時間で左右されるのであろう。
電子レンジオーブン170℃で45-55分焼き、串を刺して生地がつかなくなってから
さらに7-8分焼くのがポイントであるが、その見極めを今後、調整していくことになろう。
業務用オーブンでも当然、焼き具合は変わってくるのである。
さらに7-8分焼くのがポイントであるが、その見極めを今後、調整していくことになろう。
業務用オーブンでも当然、焼き具合は変わってくるのである。
イル・プルー(7) ― 2011/02/04 11:45
これはお手本のもの。
イル・プルー流はペック社のチョコレート、ココアパウダーを使うこと、
リキュールはオレンジキュラソーとカルバドスを用いることにある。
意外にもラム酒は使わない。
リキュールはオレンジキュラソーとカルバドスを用いることにある。
意外にもラム酒は使わない。
前日にガナッシュを仕込んでおき、翌日にそれを上がけ(トランペ)する手順。
この上がけに使うチョコレートには、通常、複雑で難しい作業である、温度調節作業、
いわゆる「テンパリング」が必要だが、この講座では、テンパリングをしなくても
柔らかく、口どけの良いチョコレートを仕上げられる方法をレクチャーしている。
いわゆる「テンパリング」が必要だが、この講座では、テンパリングをしなくても
柔らかく、口どけの良いチョコレートを仕上げられる方法をレクチャーしている。
チョコレートを扱うのは難しいが、開業の際は、1月ー2月には期間限定でコーヒーに合う
生チョコを提供したいと考えている。また、いずれにしろコーヒービーンズチョコの提供は必須であり、テンパリングと向き合わねばならないのである。
イル・プルー(6) ― 2010/12/24 10:40
イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ主催
「嘘と迷信のないフランス菓子教室・入門速成科」(全20回)
「嘘と迷信のないフランス菓子教室・入門速成科」(全20回)
第6回は「シャルロット オー フレーズ」
いちごのムースのケーキ
これはとてつもなく美味しい、感動する味わいのケーキである。
これまで食したムース、ババロア類のケーキの中では最高といっていいであろう。
これまで食したムース、ババロア類のケーキの中では最高といっていいであろう。
華やかで甘酸っぱいいちごの風味が最大限に生かされる工夫が施されている。
それはこのケーキの三層構造にあると推察する。
お手本のシャルロット オー フレーズ
三層とは次の三つ。
1.ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール=たまごを別立てしたスポンジ生地。
水溶化した卵白を使い、硬く泡立てることによって、
さっくりとした歯ごたえを味わえる。シロップを多量にうってもグチャッとならない。
2.生地に打つ2種類のポンシュ(シロップ)。
サイドの生地には洋梨のリキュールの効いたポンシュ、
底生地、中生地、トップの生地(これをシャポーと呼ぶ)には
ポンシュ・ア・ラ・フレーズ(いちごのシロップ)を使う。
いちごのジュースとリキュールをふんだんに使うので、
香りと酸味がより引き立つのである。
3.ムース・フレーズ(イチゴのムース)
主役のムースにもいちごのリキュールを使う。
酸味を補うためにレモンピューレも入れる。
水溶化した卵白を使い、硬く泡立てることによって、
さっくりとした歯ごたえを味わえる。シロップを多量にうってもグチャッとならない。
2.生地に打つ2種類のポンシュ(シロップ)。
サイドの生地には洋梨のリキュールの効いたポンシュ、
底生地、中生地、トップの生地(これをシャポーと呼ぶ)には
ポンシュ・ア・ラ・フレーズ(いちごのシロップ)を使う。
いちごのジュースとリキュールをふんだんに使うので、
香りと酸味がより引き立つのである。
3.ムース・フレーズ(イチゴのムース)
主役のムースにもいちごのリキュールを使う。
酸味を補うためにレモンピューレも入れる。
ムースだけでもとてもおいしいのだが、この三つの層が重なりあったときに、
いちごの持つ風味と味わいが最高潮に達するのである。
まさに三位一体のケーキである。
自作のもの。良く見ると、一段目と二段目のムースの量が均等でなく、
お手本のもののように美しくない。また、トップのビスキュイの大きさが少し小さく、
大きさが揃っていない。均等に絞り出すのは難しい。
さて、このケーキは、バターを使っていないので、全体的にしつこくなく、
さっぱりした味わいであるのも特徴である。
ムースの舌触りはババロアと同じであるが、卵黄を使っていないので、
区別してムースと呼んでいるとのことである。
今回はフランス産の缶詰のいちごのピューレを使っているが、
日本の生のいちごでどこまでこの味に近づくことができるか試してみたい。
また今回は校長の弓田亨氏がデモンストレーションをされ、
間近に職人技を見ることができたが、その手慣れた動きにはさすがに圧倒された。
つい最近NHKでも放映された有名パティシエである杉野英美氏は、
ホイッパーでの混ぜ作業が終わると、ボールにコンコンとホイッパーを
たたきつけてていたが、弓田氏はそういったことは絶対にしない。
作業は美しく、優雅で上品なのである。
またお菓子づくりに対する愛情は格別で、
特にメレンゲの泡をつぶさないための数々の技法・法則を語らせたら、
世界一といえるであろう。
講義中や講義後の懇親の場で
自説を熱く強く主張されていたので、いくつか記しておく。
特にメレンゲの泡をつぶさないための数々の技法・法則を語らせたら、
世界一といえるであろう。
講義中や講義後の懇親の場で
自説を熱く強く主張されていたので、いくつか記しておく。
・日本のパティシエで科学的な見地に基づき、菓子を作っているのは私だけである。
・日本人は料理に砂糖を使ってこなかった。戦後、おせち料理などを高級料亭が
販売した際、日持ちさせるために砂糖を大量に使った。
よって、甘い味付けが高級なのだと日本人は勘違いするようになった。
必要以上に甘い伊達巻等は人間の食べるものではない。高級料亭の罪は深い。
・こうした甘い味付けをテレビ等で浸透させていった料理人も責任重大だ。
(実際は名指しで著名料理人を批判)
・昨今、砂糖・卵・乳製品・精製品・肉魚などを食べないスタイルがあるが、
栄養失調で苦しんでいる人を何人も知っている。
健康志向で病気になってはいけない。
等々…、あまりに強く確信的に、説教調に話すので、みな信者になるのであろう。
クリティカル・リーディングを心がけている私でさえ、頷ける部分が多くあった。
その思想は著書に多く書かれており、まずは以下の本を読み込むこととし、レシピを試し、順に広げていく予定である。
思想より何より料理はおいしいことであるというのが、私の考え方である。
『新版 ごはんとおかずのルネサンス【基本編】』 1,890円
イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ企画
思想より何より料理はおいしいことであるというのが、私の考え方である。
『新版 ごはんとおかずのルネサンス【基本編】』 1,890円
イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ企画
イル・プルー(5) ― 2010/12/09 10:58
第5回は「ビュッシュ・ショコラ」
いわゆるブッシュドノエルだが、
イル・プルー流はチョコレートをこれでもかと使う超濃厚バージョンだ。
イル・プルー流はチョコレートをこれでもかと使う超濃厚バージョンだ。
チョコレート、ココアは当然ながらペック社のものを使う。
ロールケーキの中と外側をコーティングするガナッシュにも
ペック社製のチョコレート(ガナッシュ・ゲアキル)を贅沢に使用する。
ペック社製のチョコレート(ガナッシュ・ゲアキル)を贅沢に使用する。
また、ロールケーキの生地となる、
「ビスキュイ・オ・ザマンドゥ・ショコラ」=ココアスポンジには両面に
濃厚なチョコレートシロップを打つ。
「ビスキュイ・オ・ザマンドゥ・ショコラ」=ココアスポンジには両面に
濃厚なチョコレートシロップを打つ。
洋酒は使わない。
18㎝のロールケーキ2本を作成。
1本はダイナミックな薪のイメージでクリームを細工、
もう1本はコポー(カンナで削ったようなチョコレートの木くず)でたっぷりと覆う。
「ムラング・シュイス」=スイスメレンゲをマシュルームのように絞り、
100度で90分焼く。ココアを振り、飾る。
このケーキにはやや深煎りのコーヒーをネルドリップで淹れるのが良く合いそうだ。
イル・プルー(4) ― 2010/11/19 11:32
イル・プルー(4)
第4回は盛り沢山、
「ガトーショコラ」&「ショソン・オ・ポンム」&「ラング・ドゥ・ブッフ」
ガトーショコラのポイントは何と言ってもフランス・ペック社の材料を使うこと、
これに尽きる。弓田氏もブログでその理由を述べている。
「ガトーショコラ」&「ショソン・オ・ポンム」&「ラング・ドゥ・ブッフ」
ガトーショコラのポイントは何と言ってもフランス・ペック社の材料を使うこと、
これに尽きる。弓田氏もブログでその理由を述べている。
「スーパーゲアキル」「ベネズエラ」といったチョコレートはもとより、
カカオバター、ココアといった材料も当然ペック社のものを使う。
口当たりはやや硬めの印象、ほんの少し、ふんわり感が欲しいところだが、
要はメレンゲの混ぜ加減にあり、その調整は難しそうである。
要はメレンゲの混ぜ加減にあり、その調整は難しそうである。
チョコレートの風味はビター目で、大人の味。
このケーキにはグラニュー糖が合計170gほど使われているが、甘味はそれほど強くない。
このケーキにはグラニュー糖が合計170gほど使われているが、甘味はそれほど強くない。
一週間ほど日持ちするので、常任メニューとして活躍させたいものである。
「ショソン・オ・ポンム」はアップルパイ。
リンゴをバニラ棒や白ワインとともにじっくり一時間煮てコンポート。
やわらかなやさしい味で、酸味も心地よい。
パイの成型はあいかわらず難しかった。イメージした形にならない。
「ラング・ドゥ・ブッフ」はtounge of beefでいわゆる牛タンのかたちをしたという意味の菓子。パイ生地をフランス産の赤砂糖・キャソナードをまぶして焼いたもの。
この日は実演のみだったが、パイ生地は成形時にどうしても余分が出てしまうので
その有効活用法として紹介されたのである。
この日は実演のみだったが、パイ生地は成形時にどうしても余分が出てしまうので
その有効活用法として紹介されたのである。
この教室は余った材料は持ち帰る、ボールを冷やしていた氷は水を切って
再利用するするなど、材料等を絶対に無駄にしないポリシーが貫かれており、
是非日常の中で身につけていかなければならないと自戒するのである。
再利用するするなど、材料等を絶対に無駄にしないポリシーが貫かれており、
是非日常の中で身につけていかなければならないと自戒するのである。
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