イル・プルー(9)2011/03/03 13:35

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ主催
「嘘と迷信のないフランス菓子教室・入門速成科」

第9回「タルト フレーズ」「タルト オ シトロン」
いちごのタルトとレモンのタルトレット


いちごのタルトには「パート・シュクレ」を使う。
イル・プルーではアーモンド・パウダーを使うのが他にない特徴である。

生地作りはとにかく良く混ぜることだが、力を入れず、
空気が入らないようにやさしく混ぜていくのがポイント。

柔らかくしたバターに粉糖、全卵、アーモンドパウダー、粉類の順で混ぜる。
粉糖だけでも400回混ぜる。

こうして全ての材料を加えるたびに各300回~400回混ぜるので、
混ぜ終えるのに約30分かかる。

一晩おいて整形した生地をから焼きし、アーモンドクリームをたっぷり入れ、
さらに焼く。ここにいちごのリキュールを効かせたポンシュをたっぷりうち、
ジュレにくぐらせたいちごを戴き、完成。

いちごのタルト

これは、お手本のもの。

家庭では、切り分けてからいちごを載せた方が失敗が少ないとのこと。
いちごは濡れ布巾で産毛と汚れを取る。絶対に洗ってはならない、とのことである。

いちごのタルト1


まずは、8等分に切り分け、

いちごのタルト2


いちごのタルト3


それぞれのピースにいちごを載せていく。
こうして完成させてしまうと日持ちがしないので、
この日は5ピース分だけ作り、自分と細君の各々の実家へ持っていく。

レモンのタルトレットには「パート・ブリゼ」を使う。
砂糖を使わないので、甘味の強いアパレイユの菓子の生地に合う。
キッシュの生地にも使える。タルトレットは小型のタルト。

パート・ブリゼの作り方はパート・シュクレと全く違う。
粉類とバターをフードプロセッサーで混ぜる。

ここに卵と牛乳等を混ぜた卵液を刷毛で少しずつ垂らしながら、
何回かに分けて加えてゆく。

レモンのタルトレット


これは何といっても焼きたてが美味しい。
アパレイユは全卵、グラニュー糖、バター、レモン汁、レモンの皮等で構成され、
粉は入らない。

そのため、カスタードクリームのような滑らかな舌触りが得られ、
しっかりとした歯ざわりのあるブリゼ生地ととてもよく合い、
感動的な味わいを生み出すのである。

今回、一度に4個作る生地の分量で焼いたが、中のアパレイユを変えれば、
バリエーションが増えるので経済的で使いやすいメニューといえそうだ。